ひらた果樹園(代表) 平田 淳さん

ひらた果樹園(代表)
平田 淳さん

都会での暮らしから一転
導かれた果樹園経営までの道のり

神奈川県綾瀬市出身。学生時代は映画監督を夢み、大学卒業後は憧れの東京でTVの制作会社へ入社。ADとして社会人生活をスタート。
しかし、映画への夢を捨てきれず、制作会社退職後、アルバイトをしながら映画学校へ通う決断をする。
その後、映画に関わりながら30代半ばまで都内で忙しく過ごしていたが、2011年3月に起きた東日本大震災を機に、少し前から感じていた「死ぬまで続けられる仕事をしたい」という思いが強くなり、映画仕事へ区切りをつけ、綾瀬へ戻る。
そこから、平田さんの自然との生活の歩みがはじまる。
ひらた果樹園

土・自然との触れ合いを求め
出会った農園と小田原との縁

綾瀬に戻り、アルバイトをしながら「死ぬまで続けられる仕事」について考えをめぐらせていた。
農業をしたいというよりは、土や自然に触れていたいという思いが強かった。行動に移したのは、ちょうど都内で暮らしていた彼女(現奥様)と一緒に湘南の鵠沼で暮らし始めたころ。
お互いに自然と触れ合える環境が好きだったのもあり、すぐにインターネットで農業体験とかボランティアなどができるところを探した。その時にピンときたのが小田原の下曽我にあった農園。すぐに話を聞きにいき、一瞬で「ここだ!」と直感。下曽我への引っ越しも同時に決め、平田さんの農業研修が始まった。

念願の農園生活のはじまり
2年の研修生活から独立まで

2017年春、小田原の曽我の農園にて2年間の研修生活がはじまる。
お世話になった農園の社長さんのお話がとても面白くて、どんどん興味が沸いていく。畑で過ごす時間は、自分自身に合っていて気持ちが良いと実感。
研修を修了して「ひらた果樹園」として独立したのは、2019年12月。コロナ直前だった。幸いにも農業はコロナの影響をあまり受けずに仕事ができたと語る。
果樹園は、曽我では梅を、小田原の他のエリアではキウイやブルーベリーなども育てている。農園生活を「自然の中でカラダを動かしているのが本当に気持ちがいいし、できた果樹たちがかわいく、愛おしい」と目を細める。
独立すると、お金のことやお客様のことなど、初めて経験することが多かったそうだが、学びも多かったと充実した日々を振り返る。
ひらた果樹園 梅

ひらた果樹園 平田さんの絵

作物が繋ぐ人との出会い
お客様を通して知る自らの志し

直販では、多くのお客様との触れ合いがある。
独立しようとした時に、無農薬でやることに気持ちが動き、ほぼ無農薬で果樹園を運営している。
出会ったお客様のお一人に、闘病生活を送っていた方がいた。その方はご自身のためでもあったが「カラダに安心安全なものを子供にも与えていきたい」という思いもあったそう。そういう方々のお役に立ててるんだと思うと、嬉しくやりがいもある、と語る。
また、あるお客様からは「平田さんの梅は土の香りというか素朴さを感じる」「ひらた果樹園のキウイには店頭で買うキウイとは違う、子供の頃に自然の中で食べた時と同じ味がした」という感想も寄せられている。そういった声をいただくたびに、「俺はそういう自然を感じてもらえるようなものを届けたかったんだ!」と確信するのだそう。

小田原へ移住したことが叶えた
ふたりらしい高原結婚式

2018年に入籍した平田さんご夫婦。当時は結婚式・披露宴にさほど興味はなかったが「ウエディングドレスを着て記念写真くらいは撮りたいね」と話はでていた。そんな中コロナに突入し、そのまま時間が流れた。
2023年に入りコロナも5類になった頃、小田原に移住していたこともあって、山が好きな二人が近い箱根で結婚式を挙げることになったのは、縁だった。
二人が選んだ結婚式場は、箱根で歴史ある独立型チャペルをもつ「箱根の森高原教会・ホテルグリーンプラザ箱根」。会場が素敵だったのはもちろん、とにかく担当プランナーさんの対応が素晴らしかったのが最大の魅力だったそう。結婚式当日は、親族でお食事・宿泊をし、富士山が見える温泉露天風呂も満喫。ご両親も大満足だったとか。
結婚当初は写真だけでもと思っていたご夫婦でしたが「やっぱり結婚式をやって良かった!」「強い思いとは違うが、いろいろな繋がりが箱根での結婚式へと導いてくれた気がする」と。

ひらた果樹園 平田さんの絵

愛する果樹たちとともに
未来を担う子供たちにできること

「畑仕事はクリエイティブ」と語る平田さん。直販のボックスには、平田さんご自身が筆で描く景色や果樹たちの絵が想いを乗せて入れられている。
もともと絵を描いていたわけではなかったそうだが、果樹園や小田原の景色を見ていたら描きたい衝動にかられたのだそう。「とにかく小田原がすごい好きになっちゃって」と笑う。
果樹園に訪れたこともあるお客様の中には、体験時に作って渡した冊子を大切に宝箱に保管してくれているお子様もいるのだそう。
子供が大好きと話す平田さん。「子供たちの無邪気さがそのまま活きる世の中になってくれたら」と子供たちの未来を想う。自分自身もそう生きていきたいし、そういう生き方に協力できたらと。
箱根・小田原エリアは海・山・川など自然が豊富。そして歴史や文化もある。可能性が広がるこの場所で、果樹園を通して、安心安全に自然と触れ合える場所を作っていけたらと、夢は広がる。

ひらた果樹園