はれやか農園 槙 紗加さん

はれやか農園(代表)
槙 紗加さん

24歳という若さで農園をOPEN
小田原の魅力を語る

神奈川県相模原出身。大学卒業と同時に小田原へ移住し、2年間の農家での研修を終え、2023年自身の農地を確保し「はれやか農園」をOPEN。
現在は、片浦産レモンをメインに、柑橘類・キウイフルーツを生産している。もともと農業に興味があったわけではなく、小田原のイメージも「箱根や熱海などへ遊びにいく時に通ったな」という程度だった槙さんが、小田原で24歳という若さで農園を営むことになった経緯とは。
はれやか農園

大学4年生の夏
農業との出会い

「農業体験は、子供の頃の学校の授業の一貫でお米づくりをした記憶くらい」という槙さん。大学時代は教育学科で、幼稚園と小学校の先生の免許を取得しており、先生になるつもりだったのだそう。
そんな中、4年生の夏に、農業用ドローンの研究をしていた友人のお手伝いで、運転手として友人と一緒に地方の農家さんをまわることになる。それが農家さんとの初めての接点だった。たくさんの農家さんをまわりながら槙さんは感じた。素敵な職業なのに若手の担い手がいなかったり、耕作放棄地が増えていたり、もったいないな、と。それを機に、少しずつ「私がやってもいいかな。できるかも」と思い始めたのだそう。

思い立ったら即行動
農家さんをより深く知るために

この夏の体験以降、もっと農家さんを深く知ろうと思い立った槙さんは、農家さんと消費者を結ぶ産直EC「食べチョク」でインターンをすることに。そこでマーケティングをやることになり、多くの経験を積む。そこで農家さんのものをどう売るか考えているうちに、「自分で育てたものを売るのも楽しそうだ」と思い立ち、研修できるところを色々調べて探した。その時も、耕作放棄地が多いところは、傾斜がきつくて高齢者の方々が引退してしまいやすい所の方が、若い担い手を必要としているだろうと考え、神奈川県は離れたくないと思っていた槙さんが県内で見つけ出したのが小田原だった。
そして、小田原市石橋地区を中心にみかん・レモン・キウイフルーツ・オリーブなどの生産・販売を行っている矢郷農園のオーナー矢郷さんと伝手で出会うことができたのだそう。ここから槙さんの農園生活がはじまることになる。
はれやか農園 槙 紗加さん

はれやか農園

農園生活のスタート
小田原の魅力を知る

槙さんにとって、小田原市石橋地区のあたりは、海辺で傾斜もあり、美味しい柑橘が育てられていて、とても魅力的な土地だったそう。農地を借りるには2つの手法があり、1つは農家で2年間研修、もう1つは農業アカデミーに1年間通うかの選択だった。いち早く農園生活をスタートするために最初は農業アカデミーに通う選択をし、入学金も払い終わった槙さんだったが、入学間際に、小田原のこの地域で実際に農園をやろうとした場合、引退される高齢者の方々から農園を継ぐためには、地域のつながりが大事なはずと思いなおし、小田原へ移住し、2年間矢郷農園での研修をスタートすることに。研修に入り、男性2人の間で仕事をしていると、小柄な女性の槙さんは体格差の大変さを感じたそう。「農業って筋力体力がいるんだなぁ」と。ただ、最初は感じたその大変さも、農業をやっていくうちに自然と筋力体力がついていくことになる。

2年の研修を経て
夢の農園「はれやか農園」OPEN

現在は3つの畑を所有しており、はれやか農園として運営。はれやか農園という名前の由来。そこには槙さんの想いがあふれている。「将来的には観光農園をやりたいと思っているんです。内定を辞退した頃、パソコンにずっと向かいながら下を向いて仕事してると猫背になったり、気分がどんどん内向きになる気がして、そのとき畑に来るとそういう気分がはれやかになったんです。だから、都内とかでの日々に気持ちがちょっとどんよりしても、都内から近い小田原に来ると気分がはれやかになりますよ、っていうのを屋号にしてみました」と、笑顔で語ってくれた。
将来的には、収穫したものをいただけるカフェだったり、民泊があったり、たくさんの方に来ていただける農園にするために整えていきたいと。これからのはれやか農園の発展が益々楽しみである。
はれやか農園

はれやか農園 レモン

小田原は第二のふるさと
プライベートも充実

最初は農業をやることに驚かれていたご両親も今では応援してくれているそうだ。「小田原は食べ物が美味しい!休日には漁師さんの船に乗せてもらって深夜1時から3時まで漁に出て、そのあと選別などのお手伝いもしたりして、収穫した魚を近所のシェアハウスで小田原の友人たちとさばいて食べたりしてるんです」と、軽トラを運転しながら楽しそうに語る。
槙さんの祖父も愛媛で漁師をしていたそうで、祖父の船にもよく乗せてもらっていたんだそう。また愛媛なので小さいころからみかんは大好きだったとも。小田原のこの地は、そんな雰囲気も感じることができるのかもしれない。海の綺麗さ、駅から近い場所なのに畑や山に囲まれて海を見下ろす美しい景色など、訪れてくれる友人たちも小田原の良さを発見してくれているよう。小田原を第二のふるさととして、夢を叶えていく槙さんのはれやかな笑顔はキラキラ美しい。

はれやか農園

住所 神奈川県小田原市栄町2-12-10 SquareO2 1階
公式サイト https://www.hareyaka-farm.com/