箱根神社（禰宜）
小澤 篤至さん
関東屈指のパワースポット
「箱根神社」の神主として
箱根生まれ。小学校時代まで箱根で過ごす。高校時代、サッカーが盛んな静岡で本気でサッカーに打ち込みプロを目指すが、その後プロ選手になった同世代の選手のプレーを目の当たりにし、あまりの凄さにその道を断念。そこから将来について何をしようか考えたとき、自然と神職の道を志したという。そこには、縁に恵まれたこれまでの歩みに感謝し恩返しがしたいとの想いと、なによりも現在の箱根神社宮司であるお父様の背中を見てきたからだったようだ。
世襲制ではない神社で
親子で神主を
篤至さんにとって、神社はとても身近なものだった。実は、宮司であるお父様のご実家も島根県の神社で代々神主の家系。子供のころは、自宅も神社、遊びに行く家も神社という環境だったという。
参拝者で賑わう箱根神社や芦ノ湖は子供の篤至さんにとっては最高の遊び場だったそう。当時を思い出しながら笑顔がこぼれる。そのような環境下でも、お父様からは神主になるように言われたことはなく、家では神主や神社の話をすることはほとんどなかったという。「神主は心なく、やらされて勤まる仕事ではない」と強く思う今、当時の父のスタンスに納得している。篤至さんの決心は、高校卒業後の進路を決める頃に初めて話すことになったそう。両親からの反対はなかったが、後日父が「面倒くさい」と母に漏らしていたと知り思わず笑った事を覚えている。本当のところは嬉しかったように思われる。そして大学へ進学し、資格を取ることに。
参拝者で賑わう箱根神社や芦ノ湖は子供の篤至さんにとっては最高の遊び場だったそう。当時を思い出しながら笑顔がこぼれる。そのような環境下でも、お父様からは神主になるように言われたことはなく、家では神主や神社の話をすることはほとんどなかったという。「神主は心なく、やらされて勤まる仕事ではない」と強く思う今、当時の父のスタンスに納得している。篤至さんの決心は、高校卒業後の進路を決める頃に初めて話すことになったそう。両親からの反対はなかったが、後日父が「面倒くさい」と母に漏らしていたと知り思わず笑った事を覚えている。本当のところは嬉しかったように思われる。そして大学へ進学し、資格を取ることに。
先代濱田宮司様に導かれ
神主としてスタート
高校大学時代、正月は箱根神社で助勤奉仕をしていた篤至さん。大学卒業後、当時の濱田宮司様（先代）に声をかけていただき、箱根神社に奉職することに。
ご自身はお父様の引退後に箱根神社に入れればと思っていたそうで、一緒に奉仕をすることになろうとは全くの想定外だったようだ。入社後は父と子から上司と部下に関係は一変。「同僚の3倍は当り前、5倍は働きなさいと言われ、とにかく毎日必死でした」と、当時を振り返る。先代宮司様もお父様も本当に厳しかったそうで、最初の頃は何度とくじけそうになったとか。厳しい教えの中で失敗を繰り返しながら、多くの学びと経験を得ることが出来たからこそ今日の自分が居ると感謝する。
「神主は、神様と皆さんとの仲を取り持つ存在。だから神主を拝まないでくださいね」と笑う。常に感謝の気持ちとユーモアが篤至さんにあふれている。
ご自身はお父様の引退後に箱根神社に入れればと思っていたそうで、一緒に奉仕をすることになろうとは全くの想定外だったようだ。入社後は父と子から上司と部下に関係は一変。「同僚の3倍は当り前、5倍は働きなさいと言われ、とにかく毎日必死でした」と、当時を振り返る。先代宮司様もお父様も本当に厳しかったそうで、最初の頃は何度とくじけそうになったとか。厳しい教えの中で失敗を繰り返しながら、多くの学びと経験を得ることが出来たからこそ今日の自分が居ると感謝する。
「神主は、神様と皆さんとの仲を取り持つ存在。だから神主を拝まないでくださいね」と笑う。常に感謝の気持ちとユーモアが篤至さんにあふれている。
地域の方々との深いつながり
一緒に創り上げる祭り
箱根神社の宮司は、箱根全山の各地域に鎮座する11社の宮司も務める。それぞれの神社で、一年を通して多くの祭りが斎行されており、どれほど大変なのだろうと思ったが、日頃から神社を支える総代さんを中心に地域の方々の尽力によって厳粛に、そして和やかに斎行されているのだそう。神社のお仕事は、御祈祷など我々の目に見えるところ以外の業務も実はとても多いよう。清掃や祭典の準備はもとより、境内全域の整備など神社を次世代へと継承してゆくための仕事は多岐にわたる。
歴史ある箱根
古き良きものと新しいものの共存
箱根は古より東西の通行の要として旅人を迎えて来た。名立たる武将や歌人は箱根神社参詣をはじめ道中の豊かな自然や宿泊地の様子など数多くの和歌を詠み遺している。今もなお営業される宿を歌の中に見つけることもできる。「町内をまわって偉人達の見た景色、足跡を辿ってみるのも楽しいですよ」と篤至さん。
近年はおしゃれなお店も新しく増えてきて、若い観光客からの人気も集めている。自然あふれる箱根ならではの風景を堪能しながら歴史をめぐり、老舗から新しいスポットまで多くの魅力ある食や文化を体感する、そんな贅沢な旅をぜひ箱根で満喫してほしい。
近年はおしゃれなお店も新しく増えてきて、若い観光客からの人気も集めている。自然あふれる箱根ならではの風景を堪能しながら歴史をめぐり、老舗から新しいスポットまで多くの魅力ある食や文化を体感する、そんな贅沢な旅をぜひ箱根で満喫してほしい。
箱根・小田原の魅力
それは自然と人
住まいが小田原でお仕事が箱根の篤至さんに、それぞれの地域の魅力を伺ってみた。「箱根には四季折々に豊かな表情を見せてくれる雄大な自然があり、良い意味で人も時の流れもゆったりしているかな」と語る。また、「小田原は新幹線やロマンスカーなど都内へのアクセスが抜群！それでいて海あり山ありと自然にあふれ、温暖で便利な田舎町」と。とてもお忙しくされている篤至さんなので、オンオフのスイッチやリフレッシュについても伺うと「小田原も箱根も住んでいた経験があるので、どちらも実家のように感じていてあまりオンオフの切り替えはないかも。しいて言えば、車で箱根から小田原へ帰る時間に神主から一般人になっているのかも」と笑う。
でも、オフの唯一の楽しみについては、息子さんのサッカーの試合を観に行くことだと嬉しそうに話してくれた。「最高のリフレッシュです」と。令和5年、御鎮座1266年を迎えた箱根神社は、感謝の気持ちがあふれる温和な笑顔の神主さんが迎えてくれる。訪れる我々も日々への感謝の気持ちをもって参拝へ行こうと、あらためて感じた。
でも、オフの唯一の楽しみについては、息子さんのサッカーの試合を観に行くことだと嬉しそうに話してくれた。「最高のリフレッシュです」と。令和5年、御鎮座1266年を迎えた箱根神社は、感謝の気持ちがあふれる温和な笑顔の神主さんが迎えてくれる。訪れる我々も日々への感謝の気持ちをもって参拝へ行こうと、あらためて感じた。